ドラクエらしいドラゴンクエストXI

ドラクエの新作、ドラゴンクエストXI をクリアした。発売日が7月29日だったから一ヶ月以内にクリアしたことになる。これはたぶん私の中で最速クリアではなかろうか。プレイ時間は現在160時間くらい(寝落ちや放置も含む)。内容としてはだいたい網羅したかな、というところ。レベルは半分くらい99になった。

http://www.dq11.jp/

今作は PlayStation 4 と Nintendo 3DS でのマルチプラットフォーム展開となっていて、両者の内容は同じというわけではなく、また両方でプレイデータを同期して楽しむこともできるようだ。私はゲームというと家でごろごろしながらレベルアップに勤しむのが元来のプレイスタイルなので PS4 版のみ。

まずはなんといってもグラフィックが美しい。特に水の表現などは息をのむほどだった。光の表現も良かった。反射光や透過光など。光源の処理がしっかりしているんじゃないだろうか。

ネタバレにならない範囲で印象的だったエリアのスクリーンショットを掲載する。

街で一番美しいと思ったのは、クレイモラン。ステンドグラスを用いた街並み、城内など見所がたくさんある。

時間の経過で変わる雰囲気もまた良い。クロード・モネに「ルーアン大聖堂」という一日のうちいろんな時間帯で描いた連作があるが、それを彷彿とさせる。


キャラクターではエマの良さはさることながら、ベロニカがいい。非常に良い。

可愛すぎるでしょ。

今作ではキャラクターの動きが大変良かった。あえて台詞にせずに仕草や表情で語る部分もあってなかなか良かった。どうやらキャラの動きはモーションアクターがついているようだ。

ドゥルダの最終試練を23手でクリアしたときの映像。

ドゥルダの最終試練、30手以内でクリアなのだが、23手でクリアしたときの映像。なお今作の戦闘はターン制ではないため、「手」という数え方になっている。
大事なのはニマ大師に無駄なモンスター召喚をさせないこと。バトル毎によって変わるみたいだが、残り2匹以内になると召喚する、といった決まりがあるので、あえて維持に必要な頭数を残しつつ、最後に一掃できるよう進めていく必要がある。
個人的に肝だと思ったのを挙げておくと、

  • 2戦目。テンタコルスの HP がかなり高く、その上多数のモンスターを召喚される。手こずるとハッスルダンス、スクルト、マジックバリアなどでずるずると時間がかかるので、私はここでセーニャ&ベロニカのれんけい「クロスマダンテ」を起用。1手で仕留める。このクロスマダンテは超強力で4戦目のサラマンダー&ラゴンヌですら一撃で片づけられるのだが、なんといってもこの2戦目が大事に思われる。
  • 3戦目。ギガ・パンドラボックスの高守備力とラリホーマが厄介。カミュの「必殺必中」(ほんとに夢の大技なので速攻でこのスキルを取りに行った方が良い)が活きる。また眠り対策はしておいた方が良い。動画ではロウは眠り100%無効になっている。今回はカミュが寝てしまったため、カミュも眠り無効にすればなお効率は良い。
  • 4戦目。ダメージ配分と火属性攻撃への対策が肝。デビルウィザードはザオリクを使うので、サラマンダーやラゴンヌを倒したあとには残さないようにする。
    サラマンダーのギラグレイド、しゃくねつの炎、ほうおうのベギラゴン(しかもまれにぼうそうする)など、火属性の攻撃が多いので、「竜のおまもり+3」などで対策を。

これらは私が30手以内にクリアしたときの状況であって、別に極めたわけではないので、突き詰めればたぶん20手を切るのは堅いだろう(ギガ・パンドラボックスの弱点だって分かってないくらいなので)。
またダメージの誤差で想定以上に手数がかかってしまった場合には、手数に挑戦しているのなら「にげる」でリタイアしたほうがいい。HP/MP は回復するが「れんけい」を行った場合はゾーン状態が解消されているので、そのまま再挑戦したいなら素直にリセットしたほうがいいかもしれない。


プレイしての感想をつらつらと述べていくと、まず一言で言えば「ドラクエらしいドラクエ」だった。今までのドラクエのエッセンスを詰め込んだ、いわばドラクエのまとめのような。だからファミコンのドラクエをやっていた自分のような世代には「うーわーなつかしーー」とか「そうきたかー!」「そこへつなげるのかー!」という流れがあってすごく楽しかったし良かった。
自分的にはドラクエだからなんでもいいというわけではなく、「こんなのドラクエじゃない(こんなのはドラクエにいらない)」という思いを抱いたタイトルもあった。今作はパーフェクトではないが、ほぼ「ドラクエってこういうのだよね」に落ち着いていると思う。
総じて懐かしのドラクエ世代にはおすすめできるタイトルではないだろうか。

ただ、あえて言えば「良くも悪くもドラクエ」という感想も持った。もっとこうならプレイ感を損なわずに楽しめるのにな、という部分はいくつかある。思いつくままに挙げてみる。なお、以下はネタバレを含むので閲覧には注意されたい。

  • マップが広い。フィールドはともかく、街や城の移動が面倒なので主たる施設(宿屋、武器屋、道具屋、教会、城…など)へのワープ機能は欲しかった。特に頻繁に行くことになるメダル女学院、クレイモラン城などは本当に行くだけで面倒くさい。
  • 教会や女神像で、冒険の書をロードする「冒険の書を読む」といった機能が欲しい。再度記録したところから始めたい場合一旦アプリケーションを終了してから起動しなおす必要がある。なお、不思議な鍛冶で失敗したあとこれをやると数分間不思議な鍛冶ができなくなる。不思議な鍛冶についてのこの対応は別にこのままでいいので、冒険の書リロードは実装して欲しい。前述のドゥルダ試練挑戦のときなど不便。
  • 物語中一番のショッキングな出来事について。これはきつかった。クリアした今ではこういう流れもありかなとは思うが、あれはプレイをやめるきっかけにふさわしいほどのダメージだ。ロード中の「ヒント」や装備可能者などで出てくるので「…大丈夫なのかな…」と希望はわずかにあったものの、その後の展開までは本当にしんどかった。
    またこの体験を活かすなら、エンディングの流れの中で

    「この機会に言っておくわ。ありがとね のん。
    アンタ なにか私のことでつらい思いをしたんでしょう?
    なんとなく そんな気がするのよ」

    みたいな台詞があったらもう全世界の勇者は号泣である。いかがだろうか。

  • セーニャの髪型をロング/ショートで選べるようになるのなら、ベロニカの身長を元に戻すアクセサリも欲しい。アップデートで期待。
  • ラナルータは必要。夜にするのにわざわざルーラ→キャンプ→ルーラの流れはめんどくさくて死ぬ。何でないのか不思議なほど。
  • モンスターを呼び寄せるアイテムが欲しい。どうやら 3DS 版にはあるようだ。ハァ!? なんだよそれ!
  • 「つよさ」や「そうび」のキャラごとの画面で、有効になっている特殊効果を表示して欲しい。わざわざ装備を確認しないといけないのは不便で仕方ない。重複する効果はもちろん足して(50%と25%なら 「眠り 75%で防ぐ」など)。
  • 伝統とは言え「ぱふぱふ」イベントはやはり1カ所でいいのでは。
  • マルティナのスキル「おいろけ」は必要なのか疑問。だってマルティナってストーリー上そういうキャラじゃないでしょう? バニーガールの格好をさせるクエストでは乗り気じゃないし。それよりも「おうじょ」スキルとかのほうが似合う。デルカダール王とのあの会話のあと、そのスキルパネルが出現するとかだったらストーリー演出上も最高なのに。
  • ドラクエの集大成ぽい印象を受ける本作、モンスターを仲間にするシステムもあると良かった。ゲストメンバーのようにモンスターは独自行動でいいから一体だけバトルに参加できるとかあったら楽しいと思う。
  • 「ルイーダの酒場」が何らかの形であると良かった。
  • フィールド移動中はバトルメンバーが後ろについてくると良い。ゲストメンバーは表示されるのになんで正規メンバーになると表示されないのか疑問。
  • 預言者のエリアにいつでも行けるようになるといい。とても美しい場所だったので。
  • レベルアップ時のモーションが良いので、99になったあともなんらかの形で見られると良い。装備画面でとか。モンスターは図鑑でモーション見ることができるので、そのような形でぜひ。おどりとかしんだときの倒れ方とかいろいろ一通り見ることができると最高。
  • クリア後のお楽しみとしてユグノア王国の復興イベントがあってもいい。膨大なゴールドとアイテムを注ぎ込むことによってだんだん城跡が直っていき、人が集まり、街ができていく。古の戦士ネルセンは戦後バンデルフォンを興したというのだから、ユグノア王国の復興に尽力するというアフターストーリーがあってもいいのでは。

こんなところだろうか。思うところはいくつかあるものの、久しぶりのドラクエ、楽しい作品だった。

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