NakamuraEmi NOU、これは「なまもの」の歌だ

出会いはアニメ「メガロボクス」のエンディングテーマ、「かかってこいよ」だった。すごくかっこよくて、つい e-onkyo で買ってしまった。

NakamuraEmi、3rd アルバム、「NIPPONNO ONNAWO UTAU VOL.5」。

http://www.e-onkyo.com/music/album/cokm40271/

聴き始めると、今までにない感覚があった。「言葉」がするすると自分の中に入ってくるのだ。妙な感覚だった。今までにだって「いい歌詞」の歌にはたくさん出会ってきたし、とても大切な歌もある。だけどそれらとはちょっと感触というか舌触りというか肌触りというか、自分と唄が触れ合う接地面の「差」が感じ取れない。あまりに自然すぎる。なんなんだ。何者なんだ NakamuraEri って。(本当に最初これで検索した。Eri ちゃんではない。Emi ちゃんだ。)

1982年3月生まれの同学年。ちょっとくらくらしてきた。

最初に配信版(ハイレゾ)を買ったのに、気づくと私の手元には CD と LP が過去作品含めて揃っていた。

3rd アルバムなのに「VOL.5」? と分かりにくいので整理すると、「NIPPONNO ONNAWO UTAU」Vol.1 から Vol.3 までがインディーズ時の発表作品であり、メジャーデビューしたファーストアルバムが過去発表曲から選び、全曲新録という「NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST」。2nd アルバムがナンバリングに戻り「Vol.4」、今春発表された新作が「VOL.5」というわけである。

最初アルバムを買おうか考えていたときは「日本の女を歌う」なんてこれはまた仰々しいタイトルだなと少しは思っていた。「かかってこいよ」をアニメで聴いていなかったら出会うことはなかったかもしれない。
それでもアルバムを聴いてみると、すぐに「外へ向けて」歌っているのではないことが分かった。彼女はみんな、すべて自分に向けて歌っているのだ。そこには自分への戒めだったり、鼓舞であったり、寄り添う曲がつまっていた。

ああ、これは「なまもの」だ。なまものの歌だ。本当に、ただ純粋に、言葉を自分のために紡いでいる。それなのに、不思議と私自身にとっても心地よい。こんな気持ちになったのは、初めてかもしれない。


ひとりなのに 誰かに触って 話したような
携帯がない そんな時代 知ってる最後の世代かもしれない

―「新聞」より(NOU VOL.5 収録)

自分と同じぶんの時間を過ごしてきたんだなあ。私も自分の生まれた時代は絶妙だったと思っている。Windows 95 は中学2年生。携帯もネットもない世界で子ども時代を過ごせたのは本当に運が良かった。高校生になればネットにどっぷりとハマり、どちらの良さも知ることができた。

おいおい 子どもがお前を見てるぞ
自分に首ったけになる前に
おいおい 子どもがお前を見てるぞ
自分の中の 鬼退治はまだだ

―「Don’t」より(NOU VOL.5 収録)

この曲には「ダサい大人 ここでおしまい!」という歌詞があるのだが、ここの歌い方がもうほんとかわいい。一聴の価値あり。

星になったの? 星になったの? よく聞くけど
星になったの? 本当になったの? 星になったの?

ついてかないわよ ついてかないでしょ
だって私にはまだ やることがあるから
本当は一緒に 本当は一緒に
でも さよなら

―「星なんて言わず」より(NOU VOL.5 収録)

恥をかいたって 失敗したって 非難されたって
この世は終わってくれない
世界はきっと 自分が気にするほど 私に興味ないさ
じゃあ自由に 生きなきゃ

―「教室」より(NOU VOL.5 収録)

昔散々言われた「大人の言うことを聞け」
「は?聞けるか! そっちこそこっちの空気を読め!」

大人が正解なわけじゃない 国が変われば正解もかわる
かっこ良いかっこ悪い大人も 一望出来るのは君達だ

でも大人の言うことを聞け 決して言う通りにしろじゃない
光っていたら信じて
腐っていたら反面教師

―「大人の言うことを聞け」より(NOU Vol.4 収録)

なんかこう、NakamuraEmi と飲みたいですね。今まであった素敵なこと。つらかったこと。これからのこと。夢。野望。今日のこと。飲みながら笑い飛ばして「明日もがんばろう」と。


最後に「使命」と「YAMABIKO」という曲(両曲とも NOU BEST 収録)を紹介する。「YAMABIKO」はここでは敢えて歌詞を引用しない。ぜひミュージックビデオを観て欲しい。

おれもがんばるぞ。

私が何を叫ぼうと 世界が振り返る訳ないだろう
30代小娘の言葉で 振り返る世界なんか駄目だろう
分かっていても心の中 消えないペンで手の甲に書き残す
お前は書けという人がいる お前は歌えという人がいる
一人怖いのに? 男の人に甘え 家族をつくり ママになり 幸せになりたいのに?
今日も手の甲は何か書いてある

さぁ 唄えよ 沢山の人に出会えた私よ
さぁ 唄えよ
さぁ 唄えよ

―「使命」より(NOU BEST 収録)

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