そろばん袋を作った
私は家計簿[1]とは別に、月ごとに使用したクレジットカードの明細をメモしている。日付・店舗名・金額・内容を書いておく。「12/21 ヨドバシ 989 Book」といった体である。こうしておけば請求に時間差を入れるというトリッキーな動きをするクレジットカードでどれだけ買い物したか目安がつくし、仮に不正使用などがあればすぐに気がつく。
そのメモは適宜合計金額も出しておくのだが、これに私はそろばんを使っている。理由はそろばんを既に持っているため、できれば日々利用したいからである。そろばんを使用する前は普通に紙上で筆算していた。
そろばんは小学校で購入させられたもので、今となってはなぜ授業に組み込まれていたのかも分からない。ほとんど授業で珠算をした記憶がないし、テストで珠算がでてきた記憶もないので、そろばんを買うために申し訳程度に授業に組み込んだのではないかと勘繰ってしまうが真相は分からない。とにかく小学校で習ったはずだが、足し算も満足にできないという珠算レベルであった。
上の珠が「5」、下の4つの珠がそれぞれ「1」を表すことは知っていた。それで数字を表現し計算するのであろうということは想像がつく。加えて母上は日常的にそろばんを使用しているので、それを見るに慣れれば筆算するよりずっと速く計算できるようである。ではやってみようと試してみてもどうにも時間がかかってしょうがない。結局使わず仕舞いで20年以上経ったわけである。自分のそろばんもどこかへいってしまった。
そんな折、家を片付けていたらその自分のそろばんが出てきた。しかも名入りの。特注かよ。今でも小学校でやっているのだろうか。
とにかく自分専用のそろばんがあるので利用しなければもったいない。そろばんも浮かばれないであろう。そこで日々の購入メモの計算で使おうとそろばんに(おそらく小学校時代も含めて初めて)まともに向かい合った次第。
いざ使い始めてみると、程なく自分がそもそも勘違いしていたことに気づいた。「そろばんで計算する」と思っていたことだ。これが違う。計算するのはあくまでも自分の頭で、それを補佐するのがそろばんであるに過ぎない。要するにそろばんは「メモ」なのである。自分の頭で数字を覚えながら暗算していくのは難儀だから、都度数字をそろばんにメモしていくのである。直近の計算結果が表示されるインタラクティブなメモ用紙だと思えば良い。それに気づいたら何のことはない、苦なくぱちぱちとそろばんを使うことができた。ただし足し算限定であるが。
筆算より速いし正確なので、以来そろばんを日常的に使っている。
このそろばんにはケースもついていたのだが、個人的な好みでどうもいけていなかった。だから裸で置いていたのだが、それもあれなので自分でケースなり袋なりを作ろうと思っていた。思うだけでそのまま長らく放置していたが、気が向いたので作ってみた。
シャツは大変気に入っていたものなのだが、袖口の部分が薄くなり始めてしまい、着ることはなくなっていた。ただ柄が気に入っていたので何かに利用できるだろうと保管していたもの。ヒヨコのさらし布は、兄者が生まれたときに祖母が作ったおしめ…の余り布である。当然私よりも年上である。ほんとに物持ちがいいな!
シャツが薄手のものなので、ヒヨコを裏布にすることにした。
出来上がったのがこれ。なかなか良い。いけてる。すぐに取り出せるよう、口の部分には紐を通すなどしていないが、欲しくなったときのために袋の丈を長めに作ってある。
シャツで柄と共に気に入っていたボタンを両面に飾り付けた。
そしてこのそろばん袋には隠された秘密兵器がある。
なんとリバーシブル対応。すげえ超高機能!