転生へのフリーフォール
ある朝、「Pokémon GO」をやろうとバッグから携帯電話を取りだしたところ、手が滑ったのか無自覚のハンドパワーが働いたのかは分からないが、地球の中心に向かってそれは私の手から離れていった。今まで携帯を落としたことは何度もあるが、今回は記憶に残る初めての体験をすることができた。簡潔に言うと、画面が割れていた。
街中で携帯電話の画面が割れたまま使用している人をたびたび見かける。中にはクリアテープで補修してまで使っている人もいた。内心買い換えないのだろうかと思っていたのだが、今回の経験である程度得心がいった。画面が割れていても、操作自体に支障はないのである。タッチ操作はもちろんのこと、スワイプ、ピンチイン・ピンチアウトといった基本操作は難なく可能だ。おまけにガラスの破片が指に刺さりそうな幾ばくかのスリルも味わえる。
操作ができないとなれば議論の余地はないが、そこに支障がないとすると、契約期間などキリのいいところまで使い続ける人がいてもおかしくはないなと思った。
私はもう MVNO の IIJmio に移行しているので、契約期間がいくらだ更新月がどうだといった煩わしい事柄には無縁である。なのでさっさと新しい携帯電話を模索し始めた。
今まで使っていたのは Google 本家端末(といっても製造は LG)の NEXUS 5。1年半生活を共にしたが、2016年夏、ガイアへのダイブを敢行してセーフティ・ランディングに失敗。NEXUS 5 ちゃん、無念の引退である。
検討した機種は、正統な後継機種である NEXUS 5X と FREETEL SAMURAI REI 。キャリアは IIJmio のまま変更するつもりはなかった。個人的に注視したポイントは以下の通り。
項目 | NEXUS 5 | NEXUS 5X | SAMURAI REI | 所感 |
サイズ (mm) | 138 x 69 x 8.6 | 147 x 73 x 7.9 | 145.8 x 71.5 x 7.2 | サイズの好みとしてはポケットに入れやすい NEXUS 5 に一票。REI は薄さが際立つ。 |
重量 | 130g | 136g | 136g | 軽いほどよい。 |
ディスプレイ | 4.95in, IPS, 1920 x 1080 |
5.2in, IPS, 1920 x 1080 |
5.2in, IPS, 1920 x 1080 |
それほど大きい画面には惹かれないのでどれでも十分。 |
SIM カード | micro | nano | micro / nano | micro サイズを使用中なので 5X にする場合には変更手続き(有料)をする必要がある。REI は両対応なので問題ない。 |
バッテリー | 2300mAh | 2700mAh | 2800mAh | NEXUS 5 の持ちが悪いので増えるのは歓迎。 |
充電方式・規格 | ワイヤレス充電(Qi)対応 microUSB |
USB Type-C | microUSB | Qi 非対応なら USB Type-C 採用モデルがよい。 |
CPU/RAM | Qualcomm Snapdragon 800 2.26GHz quad-core 2GB |
Qualcomm Snapdragon 808 1.8GHz hexa-core 2GB |
MediaTek MT6753 1.3GHz octa-core 2GB |
このレンジの端末でパフォーマンスどうこういうつもりもないのでチェック程度に。たぶんどんぐりの背比べ。 |
OS 更新展望 | アップデート保証プログラム期間後も Android 6.0.1 提供済み | 同じく本家端末なので期待できる | どれほどフォローされるか不明 | この点は間違いなく本家端末が有利。 |
安定性 | フリーズ、不意の再起動等不安定さは感じない | 同じく期待できる | 未知数 | この点も本家端末のほうが信頼性はある。 |
価格 | – | 本家ストア:5万2千円 海外サイトで $320 ほど |
3万3千円 アウトレット:2万7千円 |
本家ストアで NEXUS 5X はありえない。 |
デザイン | 良い | 背面のカメラ周辺のでっぱりがちょっと。色は「アイス」がいい感じ | 可もなく不可もなし | どちらも惚れるほどではない。 |
項目 | NEXUS 5 | NEXUS 5X | SAMURAI REI | 所感 |
しばらく悩んだのち、REI を買うことに。ヨドバシカメラの店頭で端末チェックをしたのだが、店員氏が FREETEL の通販サイトだとアウトレット端末が売っていて、そっちのほうが安いとの情報をくれた。それでいいのか店員氏。ありがたくその情報を使わせていただいた。
3週間ほど実際に使っての感想。
- とにかくバッテリーの持ち具合が素晴らしい。充電を忘れた日があったが、余裕で2日こなせる。というか NEXUS 5 の持ちが悪すぎたともいえる。
- 気になっていた安定性だが、あえて比べれば NEXUS 5 のほうが安定していた。でも気にならない程度。数日前アップデートもあり、安定性は増した。
- ワイヤレス充電は便利で愛用していたが、5X も REI もどちらも非対応。NEXUS 5X で非対応になった理由は開発スタッフによると、USB Type-C を採用したことにより表裏を気にする必要がなくなったこと、そして充電速度が速くなったこと、ワイヤレス充電に対応すると本体が厚くなるといった理由によるとのこと。
REI は相変わらず microUSB なので不便。USB Type-C なら不満はない。 - パフォーマンスに関して。MT6753 は Snapdragon 800 と同程度と思えばいい感じ? 実際 NEXUS 5 と違いは感じない。
それより体感に影響するのは圧倒的にネットワーク速度のほうだと思う(外では特に)。モバイルネットワークはそもそも MVNO だし速度を求めるべきではない。重いゲームをするわけでもないので遅いと感じることもない。 - 大きさはもう慣れたけど、やはり NEXUS 5 くらいがいい。ポケットに入れられない。
- 指紋認証が便利。今までスマフォを見るごとに PIN を入力(またはパターン入力)するなんてあほらしくてロック設定していなかったけど、これなら手間じゃないので初めてロックを設定した。ただ手袋をする冬は面倒かも。
総じて買い換えて良かったと思える端末であった。
赤いシールが貼ってあったがアウトレットの証左であろうか。そういえばアウトレットとは言っても見た感じは新品同様だった。むしろ品質保証付きとも言える。
端末正面の上下には紗綾形文様がある。あと控えめにきらきらしてる。結構きれい。好みとしてはプレーンでも良いが。
iPhone もそうだけど、背面のアンテナ用ラインはださい。アルミの質感はいい感じ。
オリジナル UI が初期設定だったけど、アプリを非表示(not アンインストール)できないというありえない仕様だったので Google 標準 UI にした。ほんと信じられない!
標準搭載アプリに関しては、やはり本家端末のほうが余計なものが入っていなくて良い。噂では NEXUS ではない純粋な Google 謹製の端末がくるかもとかなんとか。そっちにも期待はしている。
そもそも買い換えた理由は携帯を落としたからである。落として画面が割れたせいである。今まで私はスマートフォンは裸のまま使うのがポリシーであった。なぜなら薄いし軽いから。気に入った端末しか買わないのでそれをケース等で隠してしまうのは本末転倒でもあった。実際私のスマートフォン使用歴は、iPhone 3GS(歴代 iPhone で最も美しいと思う) → INFOBAR A01 → INFOBAR A02 → NEXUS 5 である。
とは言っても今回画面を割るに至っていささか諦めの気持ちも生まれたのは否めない。
前述の通りヨドバシにはお世話になったのでケースはヨドバシで購入。
安心感はあるものの、やはり正直ケースを使うなんて屈辱だったり。