極短延長コードのすゝめ
自分が「電源アダプタ」というものを初めて知ったのはたぶん「ファミコン」だと思う。電源アダプタと呼ばれるものの多くは交流電力を直流電力に変換する「AC-DC アダプタ」なのだが、要するにあの四角くてデカくて重いアレのことだ。
だいたいはずんぐりした直方体だが、例えば Xbox の電源アダプタはファンから「カステラ」と呼ばれるサイズのものだったりする。鈍器として使うこともできる汎用性に富んだ電源アダプタだ。
尤もあまりに大きい電源アダプタは、コンセントに接続しやすいよう標準プラグ付きのケーブルが伸びているのでさして問題にはならない。問題が生じるのは中途半端な大きさというか、直接コンセントに接続するタイプの電源アダプタである。こういうのは壁のコンセントに直に接続するならいざ知らず、電源タップなど差し込み口が並んでいるコンセントに接続するとその大きさから隣接する差し込み口に干渉してしまう。この不都合は電気機器があふれる今日に於いておそらく多くの人が経験したことがあるだろう。
それを解消するのが極短延長コード。長さ 10cm ~ 20cm ほどの延長コードである。これがあると邪魔なサイズの電源アダプタを遠ざけることができるので、電源タップなどの口を有効に使うことができる。
先日常夜灯ランプを作ったのを機についでなので何本か制作した。
ケーブルの長さは手作りなのだから好きに設定できる。ただオスメス双方のプラグを含めると完成品の長さは 5cm プラスされる。つまり 20cm の延長ケーブルを作りたければ切り出すケーブル自体の長さは 15cm ほどということになる。切り出したケーブルが 20cm なら完成する延長ケーブルの長さは 25cm くらいになるということだ。
プラグの説明書には銅線をねじってネジ締めする方法が書いてあるが、丸形端子を使ったほうがすっきりすると思う。
前述したケーブルの長さは丸形端子を使う場合である。使わない場合は、ケーブルそのものを巻きつける分、もう少しケーブルは余分に必要になるだろう。
圧着した後に半田を流す場合の注意。この短さになると片方をコテで加熱するとあっという間に反対側の銅線・端子も高温になる。短いだけに手に触れやすいので火傷にはいつも以上に注意すること。
私は ELPA のケーブル【VFF-2LH】とプラグセット【A-21H】を使ったが、それぞれ色が黒・白・グレーとある。せっかく手作りなのだから色も楽しめる。プラグとケーブルの色を変えてもアクセントになっていいだろうし、色違いのプラグセットを買ってオスメスそれぞれ色を入れ替えるのも自由だ。
使い方の例。白い電源アダプタはアクティブスピーカーのものだ。これを接続すると通常プラグはギリギリ入るものの、少しでも幅のあるものだと干渉して挿すことができなくなる。この写真だと向かって左端の Nintendo Switch の電源アダプタが挿せない。
極短延長ケーブルを使うとこの通り。電源タップの差し込み口を無駄なく使うことができる。電源アダプタに頭を悩ませる諸兄姉諸君にはおすすめだ。
他にも最近だと USB 機器を充電するための USB アダプタにも役に立つ。直接コンセントに挿すより扱いやすくなるだろう。