加古 meets 加古川
神戸から明石へ、明石から姫路へという道程の一日目だったが、明石を出たあと加古川駅で途中下車。重巡洋艦加古の名前の由来となった加古川へと向かう。
日本の軍艦船の命名は自然物や気象などから取られている。雪風、島風、秋月、照月、霞、満潮など風光明媚な名前から、由良、阿武隈、神通といった川に由来するもの、比叡、愛宕、衣笠と山を由来とするものなどがある。戦艦ともなると国の名前を由来とするようになる。長門、伊勢、そして大和、武蔵、信濃といった具合。名前を眺めているだけでも日本の美的感覚というものを感じられる。
巡洋艦(クルーザー)には大きく分けて(特に「艦これ」のゲーム内では)軽巡洋艦と重巡洋艦のふたつがある。何が軽い重いのかというと、軽装甲か重装甲かによる。排水量による区別ではなく兵装によるものなので軽巡のほうが排水量が大きいといったこともある。
加古川。雨天のせいか広い河川敷には私ひとり。
名前に話を戻すと、日本海軍の艦船の命名規則では軽巡洋艦(日本海軍でいう二等巡洋艦)は川を由来とし、重巡洋艦(同じく一等巡洋艦)は山を由来とする。
加古は重巡洋艦であり、とあれば山を由来とするはずなのだが、実はこの通り加古川を由来としている。どういうこっちゃねんという感じだが、軍艦を作っていた当時、条約がいろいろとあり、それに従わなくてはならなくなった。本来加古はその名の通り軽巡洋艦として計画されていたのだが、条約によって軽巡としての加古は建造中止になってしまった。一方で別に計画されていた重巡洋艦の建造計画に、中止になった加古の予算(とその名前)を持ってきたのである。
結果的に軽巡として計画された加古は重巡として生まれることになった。
加古川駅前でも撮った。
駅からは「ニッケパークタウン」というショッピングモールを越えて歩いて行くと川に行ける。
あとで調べてみると「日本毛織(にっぽんけおり)」という大阪の毛織物メーカー、通称「ニッケ」が運営しているらしい。元々加古川に工場があったらしく、その上戦前戦中と無縁というわけではないようだから興味深い。
https://ja.wikipedia.org/wiki/日本毛織
http://www.kyoto-np.co.jp/info/culture/ehagaki/20160320_11.html