ADA プロレイザーの革カバーを作った
自分でこのタイトルを書いていてふと思うのだが、なんとニッチな記事なのだろう。「ああ、おれもやったわ」とか「まじか!」という反応をするのは世界でたぶん200人くらいしかいないのではあるまいか。
まあこういう「この為だけの革小物が欲しい。作るか」というのはレザークラフト民の性向である。
アクアリウムを多少なりともやっている人はそこそこいるにしても ADA 製品を使っている人は少数派であると思うのだが(高価格だし購入手段が限られているので)、その中でもおそらく最もユーザーの多い ADA 製品はプロレイザーではないだろうか。理由は代替品となるものが非常に少ないからである。コケ取り用のスクレーパーはたくさんあるが、プロレイザーに「コケ取り性能」「耐久性」「操作性」のすべての面で匹敵する単一商品は私の知る限り、ない。ADA 製品に関心のない人にもプロレイザーは間違いなくおすすめできる。ただベアタンクとか 120cm クラス以上の大型水槽であれば FLIPPER のマグネットクリーナーのほうが楽かもしれない。また金属であるためマリンタンクにはそもそも適さないだろう。
https://www.adana.co.jp/jp/contents/products/na_layout/detail03.html#series-box2
さて、このプロレイザーの欠点を挙げるとすればそれはずばり「安全性」に尽きる。なにしろカッターの刃が剥き出しになっているようなものだ。もちろん ADA としては使用後は必ず刃を外し、流水で洗ってから水分を拭き取って保管しろという使用方法を提示しているわけだが、めんどくさがりアジア代表の私がそんなことやるわけない。ぶっちゃけてしまうと、このプロレイザーの刃の固定方法はかなりめんどくさい。一回水平に固定したら、もう交換するまでは外したくないのである。
そうなると自己責任のもとで、刃を着けたまま保管することになるのだが、その形状上刃を上に向けた状態で保管することになることが多い。包丁が刃を上にして包丁差に差してあるようなものである。どう考えたって危なすぎる。そういうわけで幼い子どものいるアクアリストはプロレイザーを安全性の面から使用しないことも多い。
ちなみに最近出た ADA の新しいツールスタンドの商品画像では、プロレイザーは刃を外している。それで、その「刃」はどこに保管するんです?
最初はホースに切れ目を入れて刃を挟むようにカバーをつけていたのだが、なにかの拍子で外れることもあるし、見た目もイケていないので革でカバーを作ろうと思った次第。
なんだろう、めちゃくちゃかわいい。やばい。革の色がレギュラーとミニで違うのは、作った時期に丸2ヶ月ほど差があるからである。ヌメ革なのでいずれは両方とも飴色になっていくだろう。
使用した革は「栃木レザー」。栞を作ったときの残り。
https://19810720.org/20190415190605/革で栞を作った/
微粒子レベルで緻密かつ精巧な設計図。
作り方:革を切って、目打ちで縫い穴を開けて、縫います。
縫い方はいつもこの動画を見ながらやってる。圧倒的感謝…!
レギュラーサイズのプロレイザー。
こちらはミニのほう。
型紙は残してあるので、量産することもできるのだがプロレイザーというのはそうそう買い足すものではない。